【8月23日 AFP】地球近傍小惑星「リュウグウ(Ryugu)」の組成に関する新たな手掛かりが、着陸探査機が撮影した写真によって得られたとする研究論文が発表された。今回の研究によって得られた知識は、地球が位置する太陽系の形成について理解する助けとなるという。

 ドイツとフランスが開発した小型探査機「マスコット(MASCOT)」は2018年10月3日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2(Hayabusa2)」から分離され、地球と火星の間の軌道上にある直径約900メートルの小惑星リュウグウに着陸した。マスコットは靴箱ほどの大きさだという

 リュウグウの重力は地球の6万6500分の1と小さく、車輪で前進するとマスコットの機体が宇宙空間に浮き上がってしまう恐れがあった。そのため、重さ10キロのマスコットは車輪の代わりに、箱型の機体に取り付けられた金属製のスイングアーム(振り子)を動かすことで生じる微小な推進力を利用し、小惑星の表面を跳ねて移動した。

 マスコットは、リュウグウの表面で温度測定や写真撮影を行った。写真からは、小惑星の表面が2種類の岩や岩塊で覆われていることが見て取れた。カリフラワーに似たもろい表面を持つ黒っぽくて粗いものと、白っぽくて滑らかなものの2種類だ。

 23日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された論文の筆頭執筆者で、ドイツ航空宇宙センター(DLR)のラルフ・ジャウマン(Ralf Jaumann)氏は、AFPの取材に対し「興味深いのは、リュウグウが何らかのすさまじい過程を経た生成物であることが実際に示されていることだ」と語った。

 リュウグウについて研究チームは、衝突によって壊れてばらばらになった後に重力で再結合した2つの親天体の「子ども」であると考えられると指摘している。

 別の仮説もある。それは、天体の衝突が起き、内部に温度と圧力が異なる状態が形成された結果、2種類の物質が生成された可能性があるとするものだ。

 また今回、岩の多くに青や赤の小さな「包有物」が含まれていたことも分かった。岩の形成時に内部に閉じ込められた物質で、その特徴は地球上で発見される希少な始原的隕石(いんせき)の「炭素質コンドライト」に極めてよく似ているという。「この物質は原始的な物質だ。すなわち、原始太陽系星雲(太陽系の惑星を形成した星間塵(じん)や星間ガスの雲)に存在していた原初の物質だ」と、ジャウマン氏は説明している。

 はやぶさ2は採取した表面物質のサンプルを最終的に地球に持ち帰る予定だが、マスコットの観測はこの物質の原初の地質学的産状、すなわち物質が温度変化や風化にどの程度さらされているかに関する情報を提供する。

 これがなぜ重要なのか──。ジャウマン氏は次のように説明する。

「惑星が最初期にどのように形成されたかについては、まだ分かっていない」

「これを解明するには、このような小天体に行く(必要がある)。惑星形成の最初の1000万年~1億年を理解するために、惑星の進化の歴史の最初から存在するこれらの原始的天体に行くわけだ」 (c)AFP